『大吟醸バガボンド』島内景二 エイ文庫
全世界の日本酒好きはみな、武蔵。
あるいは小次郎。
そんな気がしてきました。
それぞれ、各自で自分なりに感覚を磨いて
自分の「この酒さえあればご機嫌!」という
一本を見つけるため、いろんなお酒と渡り合って
日夜努力しています。
だから、だんだん自分の中にそれなりの
体系ができてきますよね。
それは、自分の舌次第のものであって
ほかの人に共通しないものも多いでしょう。
みな、自分の流派の開祖なんです。
面白く読めました。
時折、ぷっと噴き出すことも。
「おいしい日本酒で幸せになるべし!」という
考えには心底共感します。
そして「酔うために飲むような味音痴が多い」とバッサリ。
さすがバガボンドです。
日本酒度とか、アミノ酸度とかは
ほとんど書いてないんですね。
コメントは、その時の味と香りの印象のみ。
山田錦と協会9号酵母の香りの大吟醸が好き、
程度はありましたが。
そして、ご本業の文学の香りづけもされていて
読んで得した気分です。
吉田健一さんという文学者についても
お酒に関する作品を読んでみたくなりました。
読み終わってから自称下戸の島内さんの写真を見たら、
ほんとに下戸そうに見え
笑ってしまいました。
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