八日市市畑酒造「大治郎」命名秘話!
今日は八日市の和尚さん、増田洲明さんの書展
(会場:日野町わたむきホール虹)に行きました。
ご本人にも書や「おわび紙」についてのお話をいろいろ伺い、
すごくおもしろく、考えさせられたのですが
なんといっても私にとって増田さんは、
日本酒「大治郎」のラベル作者という特別な存在です。(笑)
「大治郎」のお話をしますと、
「そや、その時にはその酒をどんな名前にするか悩んでな……」
えーっ、では増田さんは名付け親!?
「最初は、地元の地名を付けようか、ゆうてた、太郎坊とか」
太郎坊は、八日市の古刹。畑酒造からもすぐ近くなのです。
「で、あんたの名前は?と聞いたら大治郎ていうから
ええ名前やないか、って決まったんや」
「造り手の顔の見える酒をつくりたいんやったらぴったりや、いうてな」
「大治郎」という名前でなかったら、
お酒の印象もかなり違うように思えます。
名前って本当に大切です。一つの命を与えられるってことですもん。
書展会場の日野町は、八日市の隣。
増田さんにずうずうしくもお願いをして道案内をして頂き、
畑酒造に行くと、ラッキーなことに大治郎さんご本人がおられたので
そのまま蔵の中を見せて頂くことができました。
ちょうど、「大治郎」のもろみが袋に入れられ
吊るし酒をとっている最中。
フルーティな香りとともに、そのしずくの音が
まるで水琴窟の響きのようなきれいな音なのに驚きました。
ちょうど杜氏さんはご不在で、蔵の中は静かでした。
大治郎さんにはお茶まで出して頂き、恐縮……。
今年で「大治郎」は5回目の酒だそうです。
大治郎さんも「あの頃、うちの蔵の転機でした。
あれがなかったら今ごろ酒づくりしてないかも……」と。
増田和尚さんとは、米農家の方のご縁があってとのことでした。
しかし、思いがけず畑酒造の見学ができるなんて、
今年は春から縁起がいい!
「大治郎」というお酒の誕生にあたって、
増田洲明さんが命名されたことは重い意義があったのだと
八日市の蔵の外の寒い風の中で感じました。
増田和尚さんには、予定外の蔵訪問で申し訳なかったです。
八日市方面を拝んで感謝感謝の一念です。
さっそく「滋賀蔵の旅」にUPしておきましたのでご覧下さい。
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