河野裕昭写真集『大吟醸』
河野裕昭写真集『大吟醸』
ぴあ書籍研究会/発行
写真集『大吟醸』を出版する会/企画・製作
1995年初版 6000円
モノクロームの大きな写真集は
色がなく静かですが
モノを言います。
圧巻は糀。
こうじは普通、麹と書きますね。
しかし、実はこれは中国から来た漢字だそうで、
国字は糀なのです。
糀の文字は大好きなので、
「びぃめ~る」のお酒特集でも私は
麹でなく糀を使いました。
みんな読めなくて、
もう少しで却下されるところでしたが。
写真を見れば、米へんに花という国字のほうが
正しい!と思えますよ。
本当に花が咲いているんです。
お米の粒全体に、花が咲いているんです。
イラストはちょっと色のイメージが違うかもしれませんが、
ちょうどアザミの花のようにつんつんしてます。
真っ白な花です。
そして、「首吊り」と呼ばれる
モロミを袋に入れてつるしてお酒を搾るところの
雫写真。
「水琴窟(すいきんくつ)のような音」と書いてありました。
本当なんです。私も聞きました。
そんな澄んだ美しい音が聞こえてきそうな
したたり落ちる瞬間のお酒の雫。
物理の実験のミルククラウンの写真のように
丸いお酒の水滴が
ふるふると落ちてゆく姿。
ああ、この誕生の瞬間をすくって飲みたい!
と思ってしまいます。(笑)
ほかにも、酒造りに関わる人の表情の写真が
とってもすてきで、
この人たちの造ったお酒はおいしいだろうな、
と思わせてくれるんです。
とーーーっても日本酒が好きな人が撮ったことが
ひしひしと感じられる、いい写真集ですね。
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