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2004.03.16

大人の酒って、これ!


 大津は堅田の浪乃音酒造の
 新酒、酒米「愛山」と「雄町」のお酒と
 大吟醸の品評会に出品するお酒をきかせていただきました。
 どれもすばらしい!
  
 それから、上原酒造で木桶仕込みの酒が
 搾れたのをききに。
 確かに、木の香りがしてます。
 山形の「樽平」ファンの私としては好みです!
 わかりやすい~。

 しかし、その後、上原酒造の多種多様なお酒を
 きかせて頂いて
 好きなことを言っているうちに、
 「じゃあ、これは?」とひょこっと出されたのは
 写真の通り、かなり年季のはいった色の酒。

 口に含むと、上品な酸味と、甘味と、うまみがからみあい、
 その複雑さといったら!
 少し香ばしさもある、古酒ならではの味わいです。
 でも、聞いて驚くその年季の入り方。

 「昭和47年の酒です。うちの、前のおやじさんの酒。
 たぶん、本醸造をずっとほっといたらこんな酒に」
 31年古酒~!?

 なんて、すてきな年のとり方してるんでしょう。
 若い頃にはおそらくヒネたことも。
 2回や3回はあるはず。
 でも、今のこの落ち着きは
 花も嵐も踏み越えた
 物静かなナイスミドルといったところ。

 口いっぱいに広がるこの味に
 陶然とする私の脳裏には
 自分の31年間の姿が走馬灯(笑)のように。

 一口含んでは「ふひひ」と笑い、
 もう一口含んでは涙にじみそうになり。
 
 小さな蛇の目ちょく、
 1杯頂くだけで、もう幸せの極み。

 この酒は
 やらねばならない当面の仕事を片付けて、
 きちんとした夕食を食べ、
 部屋もきれいにして、
 シャワーをあびてすっきりとし、
 渋い女性ボーカルの古いジャズナンバーをBGMに、
 部屋の照明は手元を照らすだけの暖かな色。
 一番気に入っている小ぶりのグラスに1杯だけ注ぎ、
 色を愛で、
 カカオのきいた上質のビターチョコをかじりながら
 深夜一人で飲むしかないでしょう!

 もっともっと、
 仕事いっしょうけんめいしなければ、
 このお酒を飲むに自分が値しないと思ったのです。
 新しく、目標も浮かんできました。

 それから、マキノの吉田酒造さんで
 例の大吟醸袋つり粕をいただいて帰りました。
 とっぷりと日は暮れていました。
 3つの蔵元さん、そして姉御、本当にありがとうございました。

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