大人の酒って、これ!
大津は堅田の浪乃音酒造の
新酒、酒米「愛山」と「雄町」のお酒と
大吟醸の品評会に出品するお酒をきかせていただきました。
どれもすばらしい!
それから、上原酒造で木桶仕込みの酒が
搾れたのをききに。
確かに、木の香りがしてます。
山形の「樽平」ファンの私としては好みです!
わかりやすい~。
しかし、その後、上原酒造の多種多様なお酒を
きかせて頂いて
好きなことを言っているうちに、
「じゃあ、これは?」とひょこっと出されたのは
写真の通り、かなり年季のはいった色の酒。
口に含むと、上品な酸味と、甘味と、うまみがからみあい、
その複雑さといったら!
少し香ばしさもある、古酒ならではの味わいです。
でも、聞いて驚くその年季の入り方。
「昭和47年の酒です。うちの、前のおやじさんの酒。
たぶん、本醸造をずっとほっといたらこんな酒に」
31年古酒~!?
なんて、すてきな年のとり方してるんでしょう。
若い頃にはおそらくヒネたことも。
2回や3回はあるはず。
でも、今のこの落ち着きは
花も嵐も踏み越えた
物静かなナイスミドルといったところ。
口いっぱいに広がるこの味に
陶然とする私の脳裏には
自分の31年間の姿が走馬灯(笑)のように。
一口含んでは「ふひひ」と笑い、
もう一口含んでは涙にじみそうになり。
小さな蛇の目ちょく、
1杯頂くだけで、もう幸せの極み。
この酒は
やらねばならない当面の仕事を片付けて、
きちんとした夕食を食べ、
部屋もきれいにして、
シャワーをあびてすっきりとし、
渋い女性ボーカルの古いジャズナンバーをBGMに、
部屋の照明は手元を照らすだけの暖かな色。
一番気に入っている小ぶりのグラスに1杯だけ注ぎ、
色を愛で、
カカオのきいた上質のビターチョコをかじりながら
深夜一人で飲むしかないでしょう!
もっともっと、
仕事いっしょうけんめいしなければ、
このお酒を飲むに自分が値しないと思ったのです。
新しく、目標も浮かんできました。
それから、マキノの吉田酒造さんで
例の大吟醸袋つり粕をいただいて帰りました。
とっぷりと日は暮れていました。
3つの蔵元さん、そして姉御、本当にありがとうございました。
「酒肴日記 」カテゴリの記事
- 日記の引越し先(2004.04.30)
- 筍の炊き込みご飯 & 日記の引越し(2004.04.20)
- 珠洲で能登杜氏のお祭り(2004.04.19)
- 朝市の日(2004.04.18)
- 生酒の濃い夜(2004.04.17)
Comments