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2004.03.17

古酒について…語るよっ!(注意:長いです)

 新酒のフレッシュさ
 荒々しさも
 もちろん日本酒の魅力のひとつです。
 シュワシュワの炭酸味も、
 モロミがらみのにごりも、
 それぞれにうまさがあります。

 そしてほかのたくさんの種類の
 日本酒の中でも
 古酒って
 ちょっと種類が違う価値があると思っています。

 新酒のあいだ、
 2年くらいのお酒もですが、
 人の意図で味が決まり、
 そして原料のお米と酵母と気温などが協力してはいますが
 人間の手の届く範囲の味といえるかもしれません。

 しかし、数年後、十年後、ともなると
 それに時間という力が加わってきます。

 まるで、陶芸における炎の果たす役割のように。

 ヒトの手で造ったものですが、
 最後に炎の神様に仕上げをゆだねるからこそ
 陶芸は芸術になる、そう感じています。
 岡山の実父は自分で窯を庭に築き
 (かっこよく言うとセルフビルド)
 30年間、趣味で作品を焼いてきました。
 
 窯の中のどこに置くかで
 自然釉の景色がまったく違います。
 ある程度の予想をして置くにしても、
 おもしろいもの、美しいものになるかどうか
 炎の神様だけが知っているのです。
 焼いているうちにダメになるものもあります。
 

 30年後に、へたらずヒネず
 うまく酒が熟成しているかどうかは、
 それこそ神様の領域。

 
 また、その熟成された味が
 理解できるためには
 自分のほうでも経験の積み重ねが
 必要でしょう。
 (注:ただしマック次郎さんのように、
 いきなり古酒で日本酒にはまるという方も
 実際おられます(笑))

 私が、もしも3年前、
 初めて上原酒造に伺ったとき、
 30年ものの古酒を出されたとしても、
 引いたでしょう。
 
 出会いを積み重ねてきたから
 わかる今日の出会いなんです。
 上原さんも、
 「今なら味がわかるだろう」と
 判断して出してくださったんですよね。
 姉御も「やっと私たちも上原さんに認めてもらえたんやね」と。
 ほんまやわ。
 
 このように古酒には
 お金にに換えられない価値があると思えるのです。
 
 

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