『グリーン・ノウの魔女』L・M・ボストン
これはシリーズ5作目で、違和感を覚える程まがまがしい敵が登場。魔女の呪文、魔法が、現実のものとして動いていき、館を奪い取ろうとするのです。
グリーン・ノウが恐ろしく古い建物であることから、建てられたときには必ず祝福のおまじないがかけられたことでしょう。それに、修繕するときに、もっと古い建物の資材をリサイクルしたことでしょう。
その過程で、キリスト教以前のイギリスの信仰によるおまじないなどがかけられたはずです。
コウモリも登場します。魔女の呪文が翼に書き込まれた「本」として。猫はやはり魔女側につくんですねぇ。
不気味な攻撃を、危険をおかしてひとつひとつはねかえしていったのは、子どもたち(『グリーン・ノウの川』『お客さま』のピンと『グリーン・ノウの子どもたち』のトーリーの男の子二人)です。館を守る力が陰になり日向になり助けている感じ。最後に勝てたのも、その力のおかげでした。
読後感は、微妙なところ。私にはお清めの塩みたいな部分がもう少しほしいと感じました。真夜中に読まなくてよかった……。
ボストン夫人はよほど、マナー・ハウスという建物に共感する体質なのでしょう。建物の持つ物語を人間の言葉に翻訳してくれてるのかも。いや、古い建物を守るための戦いを象徴させた物語なのかな。
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