安部司さん講演会報告
第二回 OpenSesame オーガニックライフ講習会安部司氏講演会「食品の裏側」
6/11(日)14:00~16:30 主催:オーガニックデリ・オープンセサミ
聞いてきました。最前列でした。立ち見もいっぱい。
安部さんの『食品の裏側』という本に書いてあることが半分くらいでしたが、写真のようにずらっと食品添加物のビンを並べておられ、それを使って実際に無果汁ジュースやマツタケ風味澄まし汁を作ってみせてくださいました。
「まず塩を入れましょう。塩は結構濃くないと、今の消費者は満足しません。これはカツオ節の風味、これは、無理やり粉末にしたショウユ。これ(添加物)を入れるとコクが出る。これ(香料)を少し入れるとマツタケの香りがついて上品に。マツタケを探す人がいるので、シイタケのカケラを入れておいて。最後にネギの乾燥したものを入れる。これにお湯を何cc、ときちんと量って入れるけど、この白い粉末が何なのか、誰も考えようとしない」
添加物を何種類も混ぜた白い粉末にお湯を注いだとき、会場にはマツタケのお吸い物の香りが強烈に漂いました。それはよーく知っているお吸い物の素の香り……。
安部さんのお話で印象的だったのが、あるおばあちゃんが手作りのたくあんを孫に送った話です。孫は中学生。お母さんがお弁当にたくあんを入れました。お昼に食べていると、周囲のクラスメートが「くさい!」「変なものを食べてる!」などとはやしたてたというのです。つまり、まっ黄色く着色されてない、きちんと作られた本物のたくあんを食べたことがない子どもたちには、醗酵したたくあん漬けの香りが理解できなかったのでした。
はやしたてられたお子さんは、「おばあちゃんが私のために作ってくれたんだもん!変じゃない!」とたくあんを飲み込んだそうです。(うっ、泣きそう<自分)
ちゃんとした食べ物を食べている子は、そういうことを言われても、キレないでちゃんと受け止められる心の強さを持っている、と安部さんはおっしゃいました。
「たんぱく加水分解物」の動物性のほう、においをかぎました。スナック菓子の袋を開けたときのにおいと同じでした。うげえー。ちょっと「おいしそう」と感じた自分に。
安くて、すぐに食べられておいしくて。そういう便利さは、何十にも積み重ねられた薬品のピラミッドの上に成り立っている。それを選んで食べているのは消費者だ。添加物てんこもり商品を消費者が選ばなければ3日で店頭から消える。そう話ながら、薬品のボトルを実際に積み上げ、コンビニのサンドイッチを一番上に載せて見せました。何度も繰り返し。
「ひとつひとつの添加物については、ねずみで実験はしていますが、これだけ多種多様な添加物を食べさせるような実験はしていない。どんな影響があるかは不明です。現在、人体実験の真っ最中というわけです。そんな添加物でできた、1リットル200円の醤油と、室町時代から作られてきた大豆と麦と塩からできている1リットル1000円の醤油、家族の健康を考えると、どちらが安いでしょうか。」
そして、最後に、「今日から手首を鍛えてくださいね」とおっしゃいました。
なぜに?
「食品をひっくり返して裏側の表示を見るのに手首を使うから、手首を傷めないように」。
こうしてオチをつけて、講演は終わりました。終わってからも、質問時間があり、矢継ぎ早の質問にきちんと答えてくださいました。
主催者のオープンセサミオーナーからは、「今日知ったことは、ぜひ伝えてください」との挨拶が。そこで、私もブログに書いた次第です。
(このブログの安部さんの写真は、主催者に確認してから掲載しています。また、このブログに書いた、安部さんのお話については、私の記憶によるものですので、もしかすると表現や内容に間違いがあるかもしれません。もし、間違ってたらお許しを。同じ講演を聞いていた皆さん、教えてくださるとありがたいです)
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- 手打ちそば そば吉(2008.03.24)
- 糸切り職人(2008.03.23)
- ハッピープッチンプリン(2008.03.15)
- 喜多品老舗で鮒寿司茶漬けと「萩乃露」(2008.03.11)
- 味覚を磨くに資格は不要(2008.03.02)
「イベント」カテゴリの記事
- 第5回 琵琶湖さかずき ファイナル のお知らせ(2020.09.12)
- 銀杏堂 「不老泉」を楽しむ会 終了!(2019.10.07)
- 小蔵元の会 「浴衣で日本酒」(2019.09.25)
- 神社酒場で美味しい夏先取りしてきた!(2018.06.04)
- おさけ日和の美味しいアテ(2018.05.29)
「お店」カテゴリの記事
- きのもとほんもの展(2018.02.13)
- 日曜日の夜は、京都カフェパラン『滋賀酒』トークイベント(2018.01.23)
- ホルモンと滋賀酒(2018.01.22)
- ホルモン専門店かごもと(2018.01.22)
- 和バラカフェ(2017.03.09)
Comments
学生時代、クリスマスケーキを作るバイトをしたことがあって、
工場で、職人さんが、でっかいミキサーに白い粉と
一ト缶から油をダァーっと流し込んで、コンクリート
を練る様にかき混ぜたあげく出来たのものがケーキの
白いバタークリームだと知って、心底たまげました。
ホントのバタークリームはそんなもんじゃないけど、
それ以来、私は安モンのケーキを食べることが出来なくなりました。
沢山の家族や子供達がこんなまがいものを、楽しみに
しているなんて・・・忘れられない光景でした。
大人ってウソつきっ!・・て子供に言われないように
したいですよね。
Posted by: えみちゃん@走る料理人 | 2006.06.13 01:34 PM
>えみちゃん@走る料理人さん
以前、パン工場で働く人の言葉を聞いたことあります。
「白い粉を山ほど入れるのを見ると食べる気にならない」
昔のケーキのバタークリームって
そうそう子どもでも食べれたものじゃなかったですよね。
自分で作ってみると、ちゃんとした材料で作る場合の原価が分かるから、売られているものの値段から材料のランクもある程度推理できるようになりますよね。
食べるのは5分でも、作るのは1時間。
食べるものは簡単にはできない。
この前の梅仕事は、
中学生にそれを体験してもらえたと思います。
Posted by: あひる@滋賀 | 2006.06.13 04:21 PM