味覚を磨くに資格は不要
「日本酒の美味い不味いがわからない」とおっしゃる方には「美味しいと思ったお酒を飲み続けてみてください」とお答えしています。
これはワイン入門の本に書いてあったことなんですが、日本酒にもあてはまると感じているからです。
基準になるお酒の味や香りを自分の舌に覚えさせると、それに比べてどうかがわかります。
同じお酒でも、毎日同じように感じるわけではないことも、体験を通して知ることもできますし。
最近、日本酒だけでなく、食べ物全般、いや、水にも同じことが言えるのだと感じています。
これは高島市の上原酒造さんの蔵の自噴している井戸水。ここのお水もおいしいですよね。コーヒーとかいれると違うもん。
毎朝コーヒー豆をひいてコーヒーを自分で落とします。ミルクコーヒーが好きなのでいつも牛乳を入れてたのですが、ここんとこスキムミルクにしていました。お店にスキムミルクがないので仕方なく、コーヒー用乳製品を買ってみたのですが……。コーヒーがものすごく安っぽくなってしまうのです。
原料は、植物性油脂、乳化剤、シロップとかで、乳製品ではないようです。いっぱい残っているのに、もう使えない~。
20年ほど、豆でコーヒーを落として飲んでいて、でもそれほど牛乳にこだわっていたわけではありませんでした。それが、ずっと飲み続けているうちに不自然な作り物の味に反応するように変わっていたのですね。
思えば、水だって。岡山に住んでいた頃に梅田の喫茶店で出された水にびっくりしたことがあります。臭くて飲めないのです。「この水どうかしてる!」と思って周囲を見回したら、他のお客さんはフツーに飲んでいるんです。驚きました。実家は田舎。井戸水を使っていましたが、私が小さい頃から山の水をひいた町の水道でした。それで育っていたから……。 ただ、今から25年以上昔のことですから、現在梅田の喫茶店でどんな水が出されているかはわかりませんです~。私自身も現在は10年以上琵琶湖の水飲んでますから感じなくなっています。
アミノ酸も、濃すぎるとダメです。少しならいいんです。でも、「これうまい!」と一口目に驚いた食べ物が、その後食べ続けられなくなることがあります。そういう食べ物はたいていアミノ酸を使ってあります。漬物や干物がそうです。何も使われていない漬物は食べ続けても全然気持ち悪くなりません。
結婚してから、ダシはずっとサバ節や昆布などを使っていて、味醂は本味醂、酒は料理用酒ではなく、普通の日本酒、塩はなるべく自然に近い塩にしています。醤油も原材料が大豆などの食べ物だけのものにしています(写真は朝市で買う、かくみや醤油の原液)。夏は白いカビがうっすら浮くやつね。味噌と梅干は実家のオカンから分けてもらってました。酢も最近は富士酢など。
化学調味料・ダシの素は買わない。だって、調味料と素材の旨みだけで、じゅうぶんうまいんですもん!
市販の麺汁なんか、甘すぎるし、いらんダシがききすぎてて食べられません。コンビニでも、お弁当などはだんだん買うことができなくなってきました。味付けだけじゃなく、食材に命を感じないことも多いんです。まあ、そうは言っても忙しい時は買ってるけど。
味覚を磨くことを意識していたわけではないのに、毎日続けて食べる・飲むことで味覚も変わっていくものなんですね。生まれ持っている素質ももちろん大きいでしょうが、毎日口にするものである程度磨くことが可能なのだと思いました。
……タイトルは語呂合わせで~す。でも、たとえきき酒師という資格を持っていても、日ごろから味覚を研ぎ澄ます努力してないと意味がないって思ってます。だから毎晩研究。っていっても、単に飲んだくれてることのほうが多いか~(汗)。
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