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2009.04.01

『冷たい方程式』

 もう30年以上前から傑作と名高かったSF『冷たい方程式』を読みました。今更ですけど。

 緊急用の小型宇宙船は、乗組員一人と物資を乗せて目的地へ無事到着するための必要最低限の片道燃料しか積み込めない。
 もし、予定外の積み荷、それも生きた密航者を見つけたら、ただちに船外へ排除しなければ宇宙船は目的地にたどり着く前に燃料を使い果たしてしまう。それは乗組員と密航者の死を意味するだけでなく、目的地で待っている人々の命をも救えなくなってしまう。
 それは燃料が宇宙船の速度と積み荷の重さと距離の方程式によって計算されているので、重さが増えれば燃料はマイナスになってしまうというだけのこと。

 しかしその密航者がどんな者であろうと、それを排除するにあたって乗組員は冷静に実行できるのだろうか?
200941hoshi
 短編だけれど、イメージが生き生きと描かれていて、この方程式の冷たさを際立たせています。
 一人の命を救おうとする行為が、結局はその命だけでなくもっと多くの人々の命を失わせてしまう。だからいくらつらくても、密航者を救うことは禁じられているのです。

 こんな方程式は小型宇宙船の物語の中だけでなく、生きているこの世界のどこにでも見つけることができそうです。

 せっかくのエイプリルフールなのに、こんな地味なまじめな記事しか書けなかった。もったいないdown

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Comments

小生も少年期にSFにはまった時期があります。

当時は「ハヤカワ文庫」か「創元社文庫」で、さし絵といえば「真鍋弘」のイラストでした。

SFの世界では「方程式もの」として、いろいろな作家が、いろいろな「解」を短編で披露しているようですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F%E3%82%82%E3%81%AE

一時期、堀晃の熱心な読者であった私めは、方程式モノをパロッた「連立方程式」(たしか『梅田地下オデッセイ』収録だったと思います)が好みであります。

Posted by: ほろよい | 2009.04.02 at 10:28 PM

ほろよいさん

 SFに夢中だった時代、私もあります。高校時代一番読みました。
 でも、結婚して読まなくなり、20年くらいSF歴はほとんど空白です。ブラッドベリの恐竜の本くらいですわ~。

 『冷たい方程式』のパロディ、本当に多いんですね。びっくりです。今日は『フランケンシュタインの方程式』というパロディを読みました。これは、くすくす笑いでした。

Posted by: あひる@滋賀 | 2009.04.03 at 12:16 AM

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