近代美術館 襖と屏風展
でっかい日本画って、すごい迫力!
自然を描くのに、省略や誇張、時間経緯も。改めて豊かな表現方法が選べるんだなあと思いながら鑑賞しました。
私の好みは、朦朧体じゃない菱田春草。林の木々の間から、ひょっこり狐でも顔を出しそうな山の景色が描かれています。
「龍虎図」は、まさにタイガー&ドラゴン!風雲急を告げ、右側から雲の合間に顔を出した恐ろしい龍と、左側からは堂々たる体躯の虎が睨み合います。でも、ちょっと虎が負けてるかも。お耳が伏せてるように見えました。虎さん、びびってませんか?
山元春挙の「四海青波図」は巨大な奇岩が風光明媚な海岸風景となっています。碧く透き通る海に、のっ、と体を持ち上げるのは、天空の城ラピュタを守るロボット兵か?と見まがうような巨岩です。
池田遥邨は「江州日吉神社」。まさに日吉大社全体が、御神輿を持ち上げるお山まで描かれています。朱塗りのお社、桜の赤い若葉、それとは対象的に境内の松や苔、お山の深い緑、そして桜の白い花びらが華やかさを沿えます。色彩の取り合わせが絶妙で素敵な世界!
座敷って家具がないからインテリアとして、襖と屏風はすごく重要だったんですね。何畳かのお座敷に深山幽谷がある。いや宇宙まで取り込める。屏風や襖に広大な世界を描けば、居ながらにして何千里でも自由に旅することが可能なのです。
展示室の真ん中にある、窓からの庭園は、まるで屏風絵か襖絵のよう。
もう何を見ても屏風絵?って感じ。美術館から出たところの見事な植え込み。
滋賀県立近代美術館
襖と屏風 -暮らしを彩る大画面の美-
2011年2月19日 ~ 2011年4月10日
滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
077-543-2111
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