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2014.06.15

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』下巻 増田俊也

『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』下巻

読み終えてしまいました…。
この読後感をどう表現したらいいのでしょう。

力道山との試合で負けた後の木村政彦さんの人生もさることながら、
相撲界からプロレスに転向した力道山と極真空手で有名になった大山倍達の人生についても詳しく述べられます。

テレビや漫画で知っている姿とは、かけ離れた実像。
彼らの人生全てに戦争が暗い影を落としているのでした。

木村政彦さんの記録はほぼ抹殺されてしまった状態で、
著者の増田さんは木村さんの周囲の人々の証言やその記事などを集めて
木村さんの精神の奥深くまで迫っていきます。

木村さんを敬愛していた愛弟子の岩釣兼生さんも、
鬼の木村に鍛えられ全てを伝えられていたことが細やかなエピソードで描き出されます。
その師としての姿は恐ろしくもやさしい一人の男だったのです。

この長い長いノンフィクション作品の中で、
木村さんの人生について増田さんが「木村先生は、こうであって欲しい」と思ってきたような結論は出せませんでした。浮かび上がったのは「鬼の木村」の油断した情けない姿でした。

だとしても、
木村さんの弱さがリアルにあぶりだされてしまっても
読後感は空しさや悲しさではありませんでした。
人生折り返したしょぼくれた私の背中へ木村さんからカツを入れられたように思えたのです。

柔道という格闘技を究めた男の輝かしいヒーロー時代と失意の時代。
その男を敬愛する、あるいは激しく戦う周囲の男たち。
その男を敬愛し名誉復活を願う著者の執念。
決して盲目的な尊敬ではない、ノンフィクション作家としての矜持が作品となって結晶していました。

小学生時代に見ていた全日本プロレスや、柔道漫画、
そして最近の世界柔道を時々見るくらいしか知識のない私ですが
1200ページ、圧倒されっぱなしでした。ありがとうございます。

すみません、熱くなっちまいましたー。

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