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2017.12.21

「すべての四月のために」をみたあとに

この前の観劇の感激を、翌日facebookに書いたものをこちらにも公開しておきますね。
少し重なる部分もありますが。

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さて、昨夜のことです。(長いです。芝居の感想です)

昨日はいつもの仕事はお休みで、お昼過ぎまで用事を済ませて帰ってパソコンを開いてみると、facebookで「体調が悪くなったので誰か代わりに京都に劇を見に行きませんか?」というお友達が!

私、行けるやん?行こうかな、いつ?
とじっくり読み直してみると。

「今日の夕方18時半開演……」
って、えーーー!? あと3時間半。

しかし、行けると判断したので即座にメッセージを送り、お友達の最寄り駅までチケットを受け取りに行きました。改札ごしにチケットを受け取ると数分後に新快速に乗り、京都のロームシアターへ。

タイトルは「すべての四月のために」。主演はV6の森田剛さん、他に私が知っている役者さんはNHK「LIFE」の臼田あさ美さんと西田尚美さん。テレビドラマで見知った俳優さんもちらほら。チケットを見た時点では正直、森田剛さん目当てのジャニーズファンが詰めかけて、ちょっと普通とは違う雰囲気になるんじゃないか?と危惧していました。まさかウチワなんか持ってないよな^^; みたいな……。

さて、無事に指定の席に座り、開演です。

時代は第二次世界大戦末期、舞台は韓国の小さな島。
理髪店を営む、名前さえ日本式にされた韓国人、安田家の夫婦と四人姉妹と周囲の人々の、愛と憎しみ、喜びと悲しみ、希望と絶望のストーリーです。

私が最後に観劇したのは、たぶん十年くらい前だと思います。普段はテレビっ子なので、劇には慣れていません。←言い訳

そんな私が一言で感想を言うなら、人間の醜さも美しさも全てを温かく描いていて、見た後に胸の奥の奥の小さな部分が少し希望を持てたような感じでした。(劇中に出てくる日記の中のキーフレーズを引用したつもりだが、うろ覚え)

まず、いつもテレビを見ているからか、びっこ、かたわ、などの言葉や片足の将校、足を引きずる女性が出てくるだけで、あっ!と思いました。

劇って、これができるんですね!すごい力だと感じました。

最初は、なんだか遠い時代の遠い場所の知らない人たちの話だったので、わざとらしい笑いだとかに、入り込めないな、とちょっとよそよそしく思っていたのです。ところが最後は登場人物みんなが身内みたいに思えて、カーテンコールで順番に出て来た姿を見るとその人の過去のシーンがよみがえり、うるうるきちゃいました。

舞台で手をつなぎアンコールに応える皆さん、仲良さそうでした。

しかし、森田剛さんやるなー!

私の印象は、森永の小枝(こえだ)のCMで「小技(こわざ)?」と首を傾げる森田剛さんしかありませんでした。あれから、すごく努力してきたんだなあ(ToT)(←何様?)

一人でスポットライトを浴びようなんて、一瞬もなく、あくまでも舞台全体優先。華があるはずなのに、完全に気配を消す場面のほうが多い。主演なのに。

でも、だからこそ、主演を任される俳優なんだな、と納得でした。

演劇人、という称号に値しますね!

そして、観客はすっかり演劇好きの人ばかりといった感じで、アイドルを追っかけるような雰囲気は微塵も感じられませんでした。森田剛担当ファンもえらい!(←何様?その2)

今回の作・監督の鄭義信さん、すごく複雑でデリケートな問題を、すごく上手に見せてくれて、外国じゃなく、まるで自分の家族や親戚、住んでる町でのことのように感じさせてくれました。他人ごとじゃなく、我ことだったら、問題解決もできるかもしれない。当事者じゃないからそんな楽観的な、って言われるかもしれないけど、演劇だからこそ、見た人の心にこういう感覚を呼び覚ますことができるんですよね。

民族問題も、韓日あまり違和感なく同じように家族大事に必死で助け合って戦争をくぐり抜けてきたんだ、と思えました。

わざとらしい、ふざけすぎ、とすら感じていた笑いは、それなしには重すぎるテーマだからこその笑いでした。なかったら見続けるのが苦しかったでしょう。また、笑って歌った同じ歌を泣きながら歌うシーン。笑って歌った時の幸せを対比させるから余計悲しく感じる、という方式。これは効果的で、ぐっときてしまいました。

何度も繰り返し出てきた「幸福」という言葉に、少しだけ違和感を持っていたのですが、「冥福」とセットになって言われた時、腑に落ちました。生きている人へも、亡くなってしまった人へも、わけへだてなく祈りを捧げるのだな、と思えました。

このお芝居のどの小さなシーンもセリフも、考え抜いて書かれているはず。パズルのピースのどれが欠けても完成しない、そんな気がしました。

一夜明けても夢を見ていたようです。

チケットをくださったお友達さん、本当にありがとうございました!
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