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2021.03.08

『蚕のおくりもの』『漬物大明神』

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先日、岡山の実家に帰って来ました。

お墓参りも済ませて、福渡でランチして向かったのは画家、佐藤定先生のギャラリーでした。

うちの亡き父は、職場の同僚であった佐藤定先生と親しく、よく個展にも行っていました。

仕事を辞めて画家一本で、と決められた時に父は佐藤先生から一枚の絵を購入し、玄関に飾りました。私の物心ついた時には既にあったと思うくらい、長く飾ってあり、実家を取り壊すまで、家族やお客様を迎えてくれていました。今は新しい応接間に飾ってあります。

父も亡くなった今、私たちと佐藤先生のご縁は薄くなってしまったかに思われました。ところが、私のきょうだいが通う美容室で、美容師さんから佐藤先生の作品集を見せてもらい、その冊子を作られたのが佐藤先生の娘さんだと判明し、連絡を取ることとなったのです。

きょうだいは佐藤先生のことをよく覚えており、また実家の絵のことが好きだったので、私も一緒にギャラリーを訪問させてもらえることになりました。

私は佐藤定先生の作品を、実家の絵以外に見たことがなかったので、壁一面ほどもある大きな備中神楽の絵にはびっくりしました。ロシアに行った時の絵などもありました。

そして、絵本や紙芝居の絵もありました。そんな中に娘さんとの合作である『蚕のおくりもの』があったのです。


これは実際に娘さんのお子さんたちが育てた蚕のことをもとにした絵本で、文章は娘さん、絵は佐藤定先生というもの。うらやましい限りです。

千も二千もの蚕に与えるため、桑の葉を探して県内を走り回り、昔養蚕農家だった方に教えを乞いながら育てて、遂に蚕は繭を作ります。その繭から生糸を取り、糸を織ってマフラーにしたのだそう。

その間、二人の子どもさんの心の動きなどもエピソードを紹介されていました。生糸を取ることは、つまり命をもらうこと。卵から大切に育ててきたけれど、生糸を取るところで自らの手で殺さなければならない。

お子さんたちにとっては、生きることや命について深く考えたのではないでしょうか。

お祖父さんである、佐藤定先生の絵も、あたたかいタッチです。

思わず買わせていただきました。ちゃっかりサインもいただき!

そして、娘さんである小暮夕紀子さんの絵本をもう一冊。第十四回グリム童話賞大賞受賞作品『漬物大明神』は、絶賛発売中です。

こちらの絵は、まんさくさんの絵です。味わい深い筆遣いが素敵ですね。

主人公のおばあさんは、村1番の漬物名人。ストーリーは複雑ではありませんが、最後まで謎を明かさず、真実は闇の中なのです。なんとなーく、そうだったのかな?という終わり方なので、読み終えてからじわじわ可笑しくなりました。

ふくろう出版のオンライン書店で買えます。

同じく小暮さんの作品でかる、第4回林芙美子文学賞受賞作である『タイガー理髪店心中』にも、もしかしたら通じるテイストかもしれません。きょうだいか読んで、そう言ってました。

『タイガー理髪店心中』小暮夕紀子さん
朝日新聞出版

この本の装丁には、お父様の備中神楽の絵が使われています。それもまた魅力的。

実家に帰った目的は、昨年亡くなった母のお墓参りとアルバム整理でした。佐藤定先生も、父母も亡くなってしまいましたが、次の世代でも不思議なご縁で再び繋がりました。ありがたいです。


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